平成28年度は、国内景気が緩やかな回復基調が続いているとされている中、トラック輸送業界においては、ますます深刻化する運転者不足、労働条件の改善による人件費の上昇、環境対策等の課題が山積し、一方で平成29年3月から施行の準中型免許制度は、運転者不足解消への明るい材料と期待されておりますが、中小貨物運送事業者にとりましては依然として厳しい経営を余儀なくされる年でありました。
こうした情勢下において当組合は、
○ 自動車共済及び自賠責共済の契約増大による運営基盤の充実
○ 交通事故の減少と死亡・重大事故の防止
○ 義務適性診断事業の確実な運営と利用拡大
○ 関係法令、内部規定の遵守と業務の適正な推進
を重点施策とし健全な共済事業運営に取り組んでまいりました。
自動車共済は、車両共済及び搭乗者共済が契約目標台数を達成したほか、対人共済及び対物共済も前年度の実績数を上回り、共済掛金収入は予算額を上回る8億8,127万円余、前年度比2.7%の増収となりました。
一方、自賠責共済は、目標の契約台数を達成しましたが、掛金収入は、前年度を下回る結果となりました。
交通事故発生状況は、前年度との比較で、発生件数、被害者数とも減少しましたが、当組合の事故発生率は、全国のトラック交通共済の中では、依然としてワーストの上位にあり、また、死亡事故は、5件5名の事故が発生しました。
義務適性診断事業は、4月から、トラック交通共済として全国5番目、県下で3番目の実施機関として診断を開始するとともに、検査員を増員し運用体制の充実を図りました。
また、関係法令及び内部規定の遵守については、所管官庁の三重県による法定の検査を受閲し、前回の検査で指摘された事項について概ね改善し、組合業務が適正に運営されていると評価を受けました。
事業の収支は、共済掛金の増収とともに支払共済金及び支払備金の適正な査定により年度当初の見込み額を大幅に上回る増収増益となりました。
組合員数 | 417 | 社 |
---|---|---|
対人共済契約数 | 5,687 | 台 |
対物共済契約数 | 5,636 | 台 |
車両共済契約数 | 2,007 | 台 |
搭乗者共済契約数 | 2,998 | 台 |
自賠責共済契約数 | 3,511 | 台 |
純資産額 | 23億1,577 | 万円 |
自己資本比率 | 62.8 | % |
支払余力比率(注1) | 3290.2 | % (注2) |
税引前当期利益額 | 8,089 | 万円 |
利用分量配当 | 4,074 | 万円(配当率3%~9%) |
(注1)当組合の支払余力比率は、中小企業等協同組合法に基づき算出しておりますが、損害保険会社のソルベンシーマージン比率と算出基準が異なるため単純には比較はできません。
(注2)平成28年度から支払余力比率計算におけるリスク係数の一部を変更しました。